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| ミランコヴィッチメニューへ戻る ヒートアイランド現象2 国土交通省気象庁 ヒートアイランド1 ヒートアイランド2 ヒートアイランド3 ヒートアイランド4 ヒートアイランド現象 ◆都市の気温はどのくらい上昇しているのですか? 表1は、全国の各都市及び都市化の影響が比較的小さいとみられる15地点 (注1) 平均の都市化率 (注2) と年、季節平均した平均気温、日最高気温、日最低気温の長期変化傾向(詳しくは長期変化傾向(トレンド)の解説へ)を示しています。 都市化率が大きい地点ほど気温の上昇率が大きくなるといった傾向がみられます。その他、気温の上昇率は、夏に最小になる都市が多い、日最低気温で特に大きくなる等といった傾向がみられます。 (注1)全国の地上気象観測地点の中から、観測データの均質性が長期間確保でき、かつ都市化等による環境の変化が比較的小さい地点から、地域的に偏りなく分布するように選出した、網走、根室、寿都、山形、石巻、伏木、飯田、銚子、境、浜田、彦根、宮崎、多度津、名瀬、石垣島です。 (注2) 都市化率とは、ここでは、観測地点を中心とした半径7kmの円内における人工被覆率(平成18年度版国土数値情報土地利用3次メッシュデータ(1kmメッシュデータ)における建物用地、幹線交通用地、その他の用地の占める割合)として定義しています。 表1 各都市及び都市化の影響が比較的小さいとみられる15地点平均の都市化率と年、季節平均した平均気温、日最高気温、日最低気温の長期変化傾向 ![]() 100年あたりの変化率を示す。統計期間は1927年から2018年(冬は1926年12月/1927年2月から2017年12月/2018年2月)。都市ごとに、一年で最も変化傾向の大きい季節の数値は赤字、最も変化傾向の小さい季節の数値は青字で示している。また、斜体字網掛けは信頼度水準90%以上で統計的に有意な変化傾向がないことを意味する。※を付した5地点(新潟、東京、広島、大阪、鹿児島)及び都市化の影響が比較的小さいとみられる15地点中の2地点(飯田、宮崎)は、観測場所の移転に伴い移転前のデータを補正している。 ◆記録的な最高気温は都市化の影響によるものですか? 太平洋高気圧に広く覆われて日照時間が長く風が弱い日には、東日本から西日本にかけての地域では一般に日中の気温が高くなります。このような気象条件は、ヒートアイランド現象が現れやすい条件とも一致しています。 ところが、埼玉県熊谷市で最高気温40.9℃を記録した2007年8月16日の関東におけるヒートアイランド現象の解析結果(図 1)をみると、熊谷周辺では都市化の影響による気温上昇は1℃程度しか解析されていません。このことから、都市化の影響は大きくなく、この日の熊谷をはじめとする関東内陸部の顕著な高温は、他に要因があったと考えられます。 この日の気圧配置をみると(図2)、高気圧の中心が西日本に位置し、北西から山越えの風が吹き込んで顕著なフェーン現象が発生していたと考えられます。このことが、都市化以上に大きく熊谷の気温を上昇させた要因であると考えられます。 ![]() 図1 2007年8月16日15時の関東地方の気温(左図)と都市化の影響による気温の変化(右図)の解析図 都市化の影響による変化は、「都市あり実験」と「都市なし実験」の差を表している。 ![]() 図2 2007年8月16日09時の天気図 ◆都市化の影響は外国の都市でも現れているのですか? 下図は、世界の各都市及び世界平均の年平均気温の長期的な変化を示しています。これをみると、ニューヨークやパリなどの都市でも、世界平均気温の上昇率に比べると高い上昇率であり、都市化の影響が現れていることが分かります。 ![]() 図 世界の各都市及び世界平均の年平均気温の長期的な変化 東京(大手町)、ニューヨーク(CENTRAL PARK:マンハッタン)、パリ(LE BOURGET:パリ中心部より10数kmの地点)、ベルリン(TEMPELHOF:ベルリン中心部より約5kmの地点)における年平均気温の経年変化(左軸)。世界(陸上)の年平均気温の経年変化(右軸)と合わせて示す。なお、世界の気温は、1971~2000年平均からの差として表している。データ期間は1900~2010年。 図の作成にあたり、東京は気象庁のデータを、世界の気温は気象庁解析の世界の年平均気温(陸上のみ)のデータを、それ以外の3地点は、主に米国海洋大気庁(NOAA)が世界の気候変動の監視に供するために整備したGHCN(Global Historical Climatology Network)のデータや気象庁に入電した月気候気象通報(CLIMAT報)のデータを用いている。 ヒートアイランド現象3 |