ドイツ・ザクセン州短訪 ノイエ・マイスター絵画館2 Galerie Neue Meister 青山貞一 Teiichi Aoyama 池田こみち Komichi Ikeda 現地視察:2004年9月5日、掲載月日:2020年7月20日 独立系メディア E-wave Tokyo 無断転載禁 |
| 総合メニューに戻る ノイエ・マイスター絵画館1 ノイエ・マイスター絵画館2 ノイエ・マイスター絵画館3 ノイエ・マイスター絵画館4 ノイエ・マイスター絵画館5 ノイエ・マイスター絵画館6 ノイエ・マイスター絵画館7 ノイエ・マイスター絵画館8 ノイエ・マイスター絵画館9 ◆ノイエ・マイスター絵画館2(Galerie Neue Meister) ![]() 『春の花嫁行列』, アドリアン・ルートヴィヒ・リヒター, 1847年 Source:Wikimedia Commons パブリック・ドメイン, リンクによる ノイエ・マイスター絵画館には多くの著名な画家の作品が所蔵されており、ドイツ人画家では、ロマン主義のカスパー・ダーヴィト・フリードリヒ、アドリアン・ルートヴィヒ・リヒター (Adrian Ludwig Richter)、印象派のロヴィス・コリント (en:Lovis Corinth)、マックス・スレーフォークト (en:Max Slevogt)、表現主義/新即物主義のエミール・ノルデ、ノルデも参加していた芸術家集団ブリュッケのメンバー、オットー・ディクスらが挙げられます。 その他にもマックス・ベックマン、ポール・ゴーギャン、エルンスト・ルートヴィヒ・キルヒナー、パウル・クレー、パウラ・モーダーゾーン=ベッカー、クロード・モネ、エドヴァルド・ムンクらの作品が所蔵されています。 特にゲオルク・バーゼリッツ (en:Georg Baselitz)、A.R.ペンク (en:A. R. Penck)、ゲルハルト・リヒターという、東ドイツ時代のザクセン出身で世界的に有名になった現代画家には、専用の展示室が設けられています。 現代でもっとも著名な芸術家であるネオ・ラウフ (en:Neo Rauch)、リュック・タイマンス (en:Luc Tuymans) の作品もコレクションの一部です。 また、ノイエ・マイスター絵画館には絵画のみならず同年代の彫刻も多数所蔵されています。 歴史 現在のノイエ・マイスター絵画館のコレクションは、もともとドレスデン絵画館(Gemäldegalerie Alte Meister, 現在のアルテ・マイスター絵画館)のコレクションの一部でした。 1843年に王立コレクションの館長だったベルンハルト・フォン・リンデナウ (en:Bernhard von Lindenau) のもとで、現代絵画を収集するための「現代絵画部局」が設立されます。当時のリンデナウは現代絵画収集のために毎年私財700ターラーを出資していました。 ドレスデン絵画館とドレスデン美術大学 (en:Dresden Academy of Fine Arts) を管理、運営していた学術評議会は、絵画展示会の収益の50%を現代絵画収集用の資金として寄付していました。この寄付金は十分な金額とはいえず国外の作品の購入は困難であり、ドイツ国内の作品を購入するに止まっていました。 1882年までの間、ドイツロマン派の主要な作品はわずかに4点しか収蔵されていませんでした。しかしカール・ヴェールマン館長の就任後、収蔵作品数は大幅に増やされました。1897年にドレスデンで国際美術展が開催されたことを契機に、美術館は国外からの近現代絵画の収蔵に取り組み始めました。 1910年に館長に就任したハンス・ポッセの時代に、ドイツロマン主義、印象派、19世紀後半の「市民的リアリズム (Bürgerlicher Realismus)」など、現在でも重要な絵画とみなされる作品を次々にコレクションに加えて行きました。ギャラリーは1911年に設立されたドレスデン博物館協会、1917年に発足した後援会によって財政面が強化されました。 ![]() 『石割人夫』, ギュスターヴ・クールベ, 1848年, ドレスデン爆撃(1945年)で焼失 Source:Wikimedia Commons パブリック・ドメイン, リンクによる 1931年に、ノイエ・マイスター絵画館の前身となる近現代絵画部門が、ブリュールシェ・テラッセ (Brühlsche Terrasse) に移転しました。その後、近現代芸術を退廃芸術として弾圧したナチスの政策により主要な56点の絵画が押収、売却されました。さらに第二次世界大戦中に1945年のドレスデン爆撃によって、トラックに積まれていた196点の絵画が焼損してしまっています。 現在のノイエ・マイスター絵画館は1959年に設立されたもので、1965年以来アルベルティヌム美術館の上階に設置されています。ドイツ民主共和国(東ドイツ)時代に、美術館から散逸していた多数の絵画を取り戻すことに成功しました。 1994年に設立されたドレスデン近現代美術協会 (Gesellschaft für moderne Kunst in Dresden) は、新しく作品を購入するための基金を設置しており、購入した作品をノイエ・マイスター絵画館に恒久貸与しています。 この後援によって現在までに30点以上の作品が絵画館に収蔵されており、さらに絵画館で企画開催される展覧会の開催資金にも充てられています。 2002年ヨーロッパ水害による被害のために、アルベルティヌム美術館を修築するとともに、水害に強い保管所を新規に設置することになり、修築終了後の2010年6月に再開館しました。 つづく |