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声明

司法制度改革推進本部は
行政事件訴訟法改正を、オープンに行え
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国民本位の行政訴訟制度改革を考える有志

問題発端となった司法制度改革推進本部が
最高裁及び内閣法制局と事前協議していた証拠


朝日新聞記事・東京新聞記事

日弁連の抗議意見書

1.行政事件訴訟法改正の任に当たる司法制度改革推進本部行政訴訟検討会事務局が資料を用意し、論点整理をして、議論の方向付づけをするさいに、すでに、最高裁および内閣法制局と事前協議をしていることが、4月25日に明らかになった。これは審議会等でもよく行われる日本の官僚の行動様式である。しかし、それはこの検討会のあり方からして、基本的に間違っている。

2.この検討会は、広く、平等に多方面の意見を聞き、委員が議論して、議事録を公開し、広く批判を受けながらまとめていく場である。

 これに対して、事務局が最高裁、内閣法制局と裏ですりあわせをするのは、このしくみと正面から矛盾する。

3.そもそも、行政事件訴訟法の改正がなぜ必要になっているかといえば、法律が利用者の観点から見て不適切にできているだけではなく、その運用に当たる裁判所が法律を適切に解釈していないからである。

 したがって、行訴法の改正は、単なる一法律の改正ではなく司法改革の一環なのであり、行政改革のときに、行政府はまな板の鯉にとどまるようにといわれたのと同じく、本来、裁判所は、この改革の当事者であってはならないものであり、せいぜい意見を述べるにとどまるべきである。

 しかし、裁判所は、検討会事務局にも、委員にも、判事を出しており、すでに、まな板の鯉が包丁を握っている状態である。

 そのうえ、さらに、検討状況について個別に口出すのでは、委員の審議は、お釈迦様の掌の上におかれたのとあまり変わらなくなるのではないか。

 さらに、最高裁はかねてから現状の判例でよい、あまり変える必要はないというスタンスである。これは、判例がいかに権利救済を阻害してきたかという、問題状況の認識を欠くもので、そもそも改革の当事者適格に疑問符が付く。

 ここで行われているのは立法論であるから、過去の判例はとりあえずご破算・棚上げしても、行政と国民のあるべき関係を創出するように、新たな制度を構想すべきものである。そうした姿勢を持てない組織が主導権を握るべきではない。

 その上、裁判所は、法律を適用する機関であって、立法機関ではない。この法改正は三権分立の原則により国会が行うものであり、その前に内閣が法案を作成するためにこの検討会が開かれているのである。そこに裁判所が積極的に裏で口出すのは三権分立の原則に違反する。この基本原理をわきまえない裁判所がなぜ憲法の番人たりうるであろうか。

4. さらに、事務局は内閣法制局とも打ち合わせをしているようである。しかし、内閣法制局は、検討会の場で多方面の議論をしっかり勉強しているわけではないから、内容にわたった意見を言うべき立場にはないはずである。そして、法文作成のごく技術的な点であれば、それは行政訴訟改正の基本的なコンセプトが完成して、法案要綱ができた段階で十分である。今の段階で内閣法制局と打ち合わせをするのは時期尚早である。

5. いずれにせよ、この検討はオープンに行われるべきものであるから、内閣法制局、最高裁との協議はこれからは厳禁すべきものであり、これまでの協議の内容は全部公開すべきものである。