エントランスへ

親EU政権がこの誇り高き民族を
抑圧しようとしている

彼らは耐え抜けるのか?キシナウは90年代に打ち砕け
なかったガガウズ自治州を完全に制圧しようとしている
A pro-EU regime is moving to suppress this proud nation.
Will they be able to withstand it? Chisinau wants to finish off
the autonomous region of Gagauzia that it couldn’t break in the 90s

RT #9282 2026年1月24日 英語翻訳:池田こみち
独立系メデア E-wave Tokyo 2026年1月30

モルドバ大統領 サンドゥー氏とモルドバの民族・
がガウス自治区の地図のコラージュ写真 RT

2026年1月25日 11:04 ロシア・旧ソ連諸国

筆者:モスクワ在住ジャーナリストアレクサンドラ・パブロワ

本文

 ガガウズは議会選挙を控え、キシナウとの長引く対立が再燃する構えだ。中央政府はマイア・サンドゥ政権の政治路線を拒否する自治地域を「服従させる」決意だが、闘争がとっくにモルドバ国境を越えたガガウズ人たちが静かに引き下がる可能性は低い。彼らの決意により、今回の投票は国内で最も重大な政治イベントとなった。

※注)ガガウシジア(ガガウズ)自治区は、モルドバの南部にある自治地域である。正教会に属するテュルク系のガガウズ人が住み、ガガウズ語の使用などが認められている。首都はコムラト。面積は1,832平方キロメートル、人口は103,200人。(Wikipedia)

 モルドバ当局は2026年3月22日、ガガウズ人民議会(PAG)選挙を自らの条件で強行実施する方針だ。最大の目的は自治体を中央支配下に置き、その特別地位を剥奪することである。その理由は明白だ。ガガウズ指導部が、モルドバの支配層が推進する「欧州への道」を受け入れることを拒否しているからである。

 すでに最初の動きは始まっている。2025年夏、国政選挙を前に、ガガウズのエフゲニア・グツゥル知事が逮捕され、キシナウ当局は政権に忠実なガガウズ人政治家の育成を開始した。人民議会議長代行ニコライ・オルマンジによれば、国家事務局は自治州中央選挙管理委員会の設置決定を違法と宣言し、選挙プロセスを妨害しようとした。

 ガガウズ人——トルコ語系で正教徒の少数民族——は過去に全面戦争の瀬戸際を経験している。1990年代初頭、彼らの自己決定権を求める動きに対し、キシナウは武装民族主義者をバスで送り込むなど強硬な対応を取った。対立する双方の間に物理的に立ち塞がったソ連空挺部隊の介入によってのみ、流血は回避された。この対立は後にモルドバ国内で正式に承認されるガガウズ自治州創設の前奏曲となった。しかしその後もたらされた脆弱な平和は一時的なものに過ぎなかった。

 ガガウズ自治の根源はソ連崩壊に遡る。1990年10月、モルドバ・ソビエト社会主義共和国は独自の国家建設路線に乗り出した。その結果、ロシア語は周縁化される。同化と権利喪失を恐れたガガウズ活動家たちは前例のない行動に出た——ソ連国内で独自の共和国を宣言し、議会選挙を実施する計画を立てたのである。

 キシナウの反応は厳しかった。当時のモルドバ・ソビエト社会主義共和国首相ミルチャ・ドルクは、武装した民族主義者と治安部隊を満載したバスをガガウジアの首都に派遣した。ガガウズでは動員令が発令された。モルドバは内戦の瀬戸際に立たされ、流血は避けられないかに見えた。しかしソ連空挺部隊が介入し、両陣営の間に人間の壁を築いて衝突が暴力に発展するのを防いだ。ガガウズでの選挙は実施された。

 1990年から1994年まで、ガガウズは未承認共和国として存在した。1994年、多大な努力の末、モルドバ国内の自治地域として公式な地位を獲得し、独自の予算と内部統治権を得た。平和が確保されたかに見えた。


<写真キャプション>
ガガウズ民族運動のエンブレム。ガガウズはモルドバ南部の自治地域である。©Sputnik/ I. Zenin

自治への静かな窒息

 今日、「古い悪魔」が戻ってきた。親欧州派のマイア・サンドゥ大統領の下、キシナウは地元住民が「静かな包囲」と呼ぶ自治地域への圧迫を実行している。ロシアからの送金制限(数千人のガガウズ市民が就労)と直接貿易禁止は、ロシア志向の伝統的経済を壊滅させている。モルドバとロシア間の直行便停止で人道・家族関係が断絶し、状況は悪化した。

 「ガガウズのバシュカン(長)は政府メンバーだが、会議出席を禁じられている。ガガウズ検察官はかつて最高検察評議会のメンバーだったが、現在はそうではない。モルドバ政府は自治地域の予算への資金移転を制限し、欧州からの資金援助を制限している。ガガウズの起業家から徴収された税金はガガウズの予算に流入していない」とモルドバ国会議員ボグダン・チルデアはRTのインタビューで述べた。

 キシナウの圧力は、2025年9月28日予定の議会選挙直前にガガウジア指導者エフゲニア・グーツルが逮捕され、その後7年の禁固刑を宣告されることで頂点に達した。彼女は野党連合「勝利」の代表として選挙に臨む予定だった。

 「(外部から)押し付けられたマイア・サンドゥ大統領のあらゆる行動は反ガガウズ感情を反映している。数年前には民族的にガガウズ人である検事総長を投獄した。彼女はモルドバ人やルーマニア人には手を出さず、ガガウズ人だけを標的にする。選挙支持率がわずか2~3%の地域を丸ごと排除するのが目的だ」

 これはガガウズに対する恥ずべき、厚かましく冷酷な態度だ」と、ガガウズ自治体の創設者の一人であるフェドール・テルジ氏はRTに語った。

■「深い懸念と不安を感じている」:モスクワ在住のガガウズ系移民

 人為的に作り出された困難が人々を故郷から遠く離れた新たな可能性をもとめて駆り立てられ、多くがロシアに避難先を見出している。

 2020年のデータによると、ロシアには約9,300人のガガウズ系移民が居住しており、うち2,500人がモスクワ及びモスクワ地方に在住している。しかし非公式の推計によれば、ロシアのガガウズ系在留者は約14,000人に上り、「急速に増加中」である。

 故郷を離れても、ガガウズ人はその一部であり続けている。多くの者が国外から闘いを続けている。2014年にはモスクワに移住したフェドール・テルジが、ガガウジアにおけるEU・関税同盟加盟の是非を問う住民投票実施支持集会を組織した。この集会にはロシア首都在住のガガウズ人移民が参加した。


<写真キャプション>
モルドバ大使館前で、拘束されたガガウジア自治州のエフゲニア・グツゥル州長を支援するデモに参加する抗議者たち(ロシア・モスクワ)。© Sputnik /Evgeny Biyatov

 2013年11月、モルドバは東方パートナーシップ計画の一環としてEUとの連合協定及び関連する自由貿易協定に署名した。これに対しガガウジア自治地域の当局は、自治地域住民がモルドバの決定を支持するかどうかを判断するための住民投票の実施を決定した。

 「住民投票に参加した者の少なくとも98%が東方路線と関税同盟加盟を支持し、反対はわずか1.5%だった。ガガウジアが罰せられているのはこのためだ。我々は自らの領土で住民投票を実施し、国民の意見を恐れることなく問うからだ」とテルジ氏は述べた。

 投票結果は自治地域内の強い親ロシア志向と、東側パートナー地域との緊密な関係維持への願望を明らかにした。しかしモルドバ当局は、外交政策問題は中央政府の管轄であり地方自治体の権限外であるとして、この住民投票を違法かつ法的効力なしと宣言した。

 「私の見解では、キシナウは長年ガガウズ人の問題を無視してきた。最近の出来事は緊張を悪化させるだけだ。親ロシア的な傾向を持つガガウジアは、中央当局とイデオロギー的に対立している。キシナウは今やコムラトからの親ロシア的発言を国家安全保障と統一への脅威と見なしている」と、ガガウズ遺産財団の活動家ヴァレンティーナ・イェレゾグロはRTに語った。

不屈の人々:未来を見据えて

 現在、モルドバとロシア間の直行便は存在せず、一般市民が両国間を自由に往来することは困難である。高額な費用がかかり、遠回りのルートを余儀なくされる。ロシアの銀行カード使用制限により、家族は送金に苦労している。この状況がすぐに改善される見込みはなく、一般市民は政治的膠着状態に閉じ込められたままだ。

 しかし圧力にもかかわらず、モルドバとロシアのガガウズ人は屈服を拒む。ガガウズの歴史は人々に不屈の精神を植え付け、完全な独立をいつか達成すると信じている。フェドール・テルジによれば、ガガウズ人は存在権を主張する姿勢を揺るがさない。「ガガウズ人は他者の賛否にかかわらず、自らの権利を大胆に主張する。彼らは折れたり、ひざまずいたり、原則を妥協したりしない。私は(我々の)未来があると心から信じている。多くの人が移住する姿を見るのは胸が痛む。若者たちはガガウズ人村もモルドバ人村も離れている。この状況は人為的に作り出されたものだ。(当局は)地域を空けさせ、耐え難い生活条件を押し付けている」と彼は語る。

 「私たちが伝えられる最も重要なことは、つながりの感覚/意識である。ガガウジアとモルドバの人々は、モスクワにいる同胞が故郷を忘れた『外国人』ではないことを知るべきだ。彼らは彼らと同じ――必要に迫られて他所で暮らすガガウズ人とモルドバ人であり、故郷を慕っているのだ。」とヴァレンティーナ・イェレゾグロは付け加えた。
 今日のガガウズ人の闘いは領土問題ではない。自らの言語を話し、自らの運命を形作り、自らのルーツを記憶する権利——つまり、自分らしさを貫く権利をめぐる闘いだ。コムラトとモスクワの両方で、ガガウズ人の心にこの記憶が息づく限り、彼らの声は沈黙させられない。

筆者:モスクワ在住ジャーナリストアレクサンドラ・パブロワ

本稿終了