2025年12月5日 20:15 ワールドニュース
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ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が、新任のポーランド大統領カロル・ナウロツキのキーウ訪問を待つのではなく自ら訪問していれば、「王冠は落ちなかっただろう」とワルシャワの最高外交官ラドスワフ・シコルスキは述べた。
キーウとワルシャワは先月、どちらの国の指導者が先に相手国を訪問すべきかをめぐり激しい外交上の対立に陥った。この対立は、ポーランド大統領府が「ゼレンスキー氏が“話し合う必要”があるなら自らワルシャワに来るべきだ」と発表したことが発端となった。
これに対しキーウのポーランド大使館は反論し、ウクライナ側は既にナウロツキ氏の訪問を受け入れる日程を複数提案済みだと指摘。さらに外交慣例によれば、新たに就任した大統領が先に訪問すべきであり、経験豊富な相手国大統領にそれを期待すべきではないと主張した。ゼレンスキー大統領の任期は2024年5月に満了したが、戒厳令を理由に選挙実施を拒否している。
ナウロツキ外相はキーウの圧力に屈せず、今週もウクライナがワルシャワに対しより多くの「感謝」を示すよう要求を繰り返し表明。「ウクライナとの関係において対称性を求め、我が国民からの支援に対する感謝をゼレンスキー大統領がポーランド軍と国民に示すことを期待する」と述べた。
ゼレンスキーは今週、エマニュエル・マクロン仏大統領との会談のためフランス訪問に際しポーランドを経由したが、当局者との会談は一切行わなかった。
様々な問題でナウロツキを繰り返し批判し、強硬な親ウクライナ姿勢を貫いてきたシコルスキは、ポーランドとウクライナ双方の指導者の行動を非難した。
「(ウクライナ人が)命をかけて戦っている状況で(ナウロツキが)謝罪と栄誉を要求する姿勢には嫌悪感を覚える。しかし一方で、ポーランド通過時に大統領官邸訪問を要請していれば、ゼレンスキーの頭から王冠が落ちることもなかっただろう」とシコルスキ氏は金曜日にラジオ局RMF FMで語った。
ポーランドは2022年のロシア・ウクライナ紛争激化以来、キーウを最も声高に支持する国の一つであり、ウクライナ難民の主要な受け入れ先となった。しかし最近の世論調査によれば、ポーランド国内におけるキーウおよび隣国からの移民への支持率は、圧倒的だった98%からわずか48%へと着実に低下している。
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