米国とNATOのロシアへの返信がリークされる。 あなたが知るべきことはここにある 西側はモスクワの核心的な要求を拒否したようだが、 緊張を緩和するための措置を提案した。 Leaked US & NATO replies to Russia: Here’s what you need to know It seems the West has rejected Moscow’s core demands, but proposed steps to ease tensions RT Feb.2 2022 翻訳:池田こみち(環境総合研究所顧問) 独立系メディア E-wave Tokyo 2022年2月3日 |
![]() 2022年1月12日、ベルギーのブリュッセルで報道陣に対応するNATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長。© John Thys/AFP 本文 12月、ロシアは米国とNATOに対し、安全保障上の懸念に対処する保証に関する提案に対する決定的な回答書を作成するよう要求した。その書面は先週、モスクワに送付された。 米国のアントニー・ブリンケン国務長官は当時、この通信は機密であるべきだと記者団に語っていた。しかし、この二通の手紙はスペインの新聞エル・パイス(El Pais)に全文がリークされ、水曜日に公開されたと言われている。 1.米国とNATOは何を提案したのか? 西側諸国は、一般的な透明性と信頼醸成のためのステップを提示したようだ。その内容は、既存の軍事通信手段の活用、緊急時のための民間ホットラインの設置、モスクワとブリュッセルのそれぞれの公館の再開などである。 NATOは特に、ロシアとの軍事訓練に関する情報交換や、演習の早期通知、演習を監視するオブザーバーの派遣といった措置について書いている。東ヨーロッパの国境沿いでは、空と海での挑発的な作戦を頻繁に非難し合っているため、これによって日々の緊張や危険な事件がある程度軽減される可能性がある。昨年、黒海で起こった特に厳しい口論では、ロシアがクリミア近海で英国の軍艦を追い払うために警告射撃を行った。 ハードルもあり得る。例えば、ロシアのメディアは先週、ブリュッセルのミッションの規模をめぐって、米国主導のブロックとまだ意見の相違があると報じた。 2.ロシアと欧米は何について議論しているのか? 主な論点は、欧州における「安全保障の不可分性」という概念であるように思われる。 ロシアがよく指摘するのは、1999年のOSCE 欧州安全保障憲章で、各国は「安全保障に対して平等な権利を有する」とし、「他国の安全保障を犠牲にして自国の安全を強化することはない」と述べていることである。 この方式は、2010年にカザフスタンのアスタナ(現ヌルスルタン)で開催されたOSCE首脳会議の宣言でも確認されている。モスクワは、これはNATOと米国がロシアの同意なしに東方へ軍事インフラを拡大できないことを意味すると主張している。 エルパイス紙にリークされた回答で、ワシントンは安全保障の不可分性についての「我々の解釈」を議論する用意があると述べている。この注意書きは、ロシア自身が言うのとは逆に、NATOは純粋に防衛的な同盟であり、ロシアに脅威を与えないという主張からきている。 ロシアのラブロフ外相は、米国とその同盟国に宛てた書簡で、西側諸国は安全保障の不可分性という概念を完全に無視し、国際文書から「自分たちに都合のいい要素」、すなわち個々の国家が同盟を選択する自由を保証するものを抜き出していると非難している。また、西側諸国の文書による回答は、この問題に対する理解の「深刻な違い」を示していると強調した。 ラブロフ氏は先週、ロシアのテレビ番組に出演し、ユーゴスラビア、アフガニスタン、リビアへの介入を考慮すると、NATOを防衛同盟とみなすことは「困難」だと主張した。 3.突破口に近づいたか? NATOは、グルジア、モルドバ、ウクライナからのロシア軍の撤退を含む要求リストを提示した。これは、モスクワがクリミアをキエフに返還しなければならないことを暗示している。 ロシアは、2014年のクリミアの再統一は不可逆的であると繰り返し述べている。また、2020年に採決された改正案では、憲法上も不可能だ。 モスクワが、1990年代初頭から駐留しているモルドバの離脱したトランスニストリア地域から、同地の凍結された紛争が解決されるまで、平和維持軍を撤収させる可能性は極めて低い。グルジアからの独立を2008年にロシアが承認したアブハジアと南オセチアからも、同様にロシアのPKO要員が撤収されるとは考えにくい。 米国は、ウクライナに攻撃的な地上発射ミサイルシステムや常設の戦闘部隊を配備しない「相互約束」について話す用意があると書いているとされるが、これはロシアがクリミアを放棄しなければならないということも暗示している。 ロシアがNATOに対して、新規加盟国を受け入れるいわゆる「門戸開放政策」を公に放棄するよう要求しているのも、米国とNATOがどの国も加盟を目指す権利を再確認した後では、この時点で同様に非現実的なものに思える。 4.次はどうなる? 1月に行われた一連の会談の後、当事国は対話を維持し、危機の外交的解決策を模索することに合意した。ロシアは、英国のリズ・トラス外相が今月訪日することを発表した。しかし、トラスは月曜日に新型コロナウィルスの陽性反応を示し、リモートでの対応に切り替えた。 緊張を和らげるために、ウクライナのゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は先週、西側諸国にパニックを広げないよう促した。 |