現地視察報告

<静岡の豊島・静岡市吉津 焼却灰野積みの現状>


環境行政改革フォーラム会員 市村拓斗




 吉津は静岡駅から車で約20分の所にあり、近くには藁科川が流れていて、すぐに安倍川に注いでおり、本来は緑があふれているところです。ところが現在は計3地点で焼却灰が野積みにされており、放置されたままの状態です。

 そのうち、A地点と呼ばれるところは環境総合研究所の調査で土壌から3326pg-TEQ/g、C地点では2843pg-TEQ/gという[*]環境基準を大幅に超えるダイオキシンの値が検出されています。現在のところ、焼却灰が撤去される見通しはたっていません。その現状をお伝えします。

[1] 現在環境基準はダイオキシン類対策特別措置法により、土壌は「廃棄物その他の埋立地であって、外部から適切に区別されている施設」以外は1000pgTEQ/gとなっている。

 奥に見えるのが{清流ネット静岡・吉津ダイオキシン灰撤去の会}代表の恩田さんの自宅。ちなみにこのお宅は2階建てで、手前に見えるのが、焼却灰の山。焼却灰が積まれる前までは、普通の敷地であった。ここは、B地点と呼ばれている。

 小学校裏の約150メートル先にあり、3箇所ある焼却灰の野積み現場のうちのC地点と呼ばれる場所。近くに流れている小川では、2001年までは小学生に自然環境教育として川遊びをさせていた。







 2003年6月28日、上の写真のように山は削り取られ、その削り取られた土は、すぐ隣にある下の写真の焼却灰の覆土の為に使われた。これを、指導したのは静岡市だという。



 右の写真は覆土をされたA地点と呼ばれる場所で一見きれいに見えるが、覆土の下には膨大な焼却灰が埋まっている。

 これは、同年8月16日に前日からの大雨で覆土をされたA地点の擁壁が崩れ、中の焼却灰と共に下に流れている藁科川に続く小川に流れ込んだときの写真。

 静岡市は「擁壁が崩れただけで、中の焼却灰は流れ込んでいない」と言っている。

 これは、A地点の20014月における野焼きの状況。ちなみに、最後に確認された野焼きはこれから1ヵ月後の5月だという。この時期でも、未だこのようなことをやっていた。

 「静岡の豊島問題・悲しみのペットボトルたち」市街地アピールの時の写真。

 焼却灰が川に流れ込み、また地下水が汚染されている可能性が高いため、井戸水で生活しているこの地域の方々は水が飲めなくなり、ペットボトルの水で煮炊きまで強いられている状況。