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サーマルリサイクル実証結果の確認等
検討委員会の調査データについて


青木 泰(NPO法人ごみ問題5市連絡会)
環境行政改革フォーラム幹事(アドボカシー担当)

14 Dec. 2009


 東京23区のサーマルリサイクルという名の廃プラ焼却は、多くの市民、市民団体や議員の反対の中で昨年から本格実施された。

 廃プラスチックは、すべて再処理(リサイクル)という検討が、国では開始される中で、時代に逆行する23区の廃プラ焼却は、大田区のみ一昨年(2007年)から先行実施され、23区全体としては、2008年4月と10月に分けて、順次実施された。

 市民や区の反対で、廃プラをすべて燃やすという区は、半数以下になったが、CO2問題を含め、廃プラ焼却の是非の検討が求められている。

 廃プラスチックを燃やせば、ダイオキシン等の有害物質がでることが、懸念されたため、この廃プラ焼却を中心的に進めた東京23区清掃一部事務組合(清掃一組)は、廃プラ焼却に入る前に、実証確認を行ったが、市民の声を受けて、2008年7月7日に表題のような検討委員会を専門家や市民公募委員を含め、立ち上げた。

 今回掲載する資料は、第6回検討委員会(09年11月18日)に提出された実証確認結果の資料である。

 第5回検討委員会(09年6月30日)から「時間がかなり経過しての開催」(市民委員発言)であった。実はこの間、清掃一組が、廃プラ焼却後測定した清掃工場(22工場)の雨水排水の測定データが、9箇所で環境基準を越えていたことが、9月9日付けで市民が情報開示した資料から分かった。

 清掃一組はこの雨水測定に当たり、実証確認を目的とすると契約書に記載しながら、このデータを公表せず、今回の良い回での報告資料にも掲載していなかった。調査しても不都合な情報は、公表せず、検討委員会の検討資料にすら提出しないというのでは、何のための検討委員会と問われることになる。

 今回発表したデータについては、清掃一組は、「すべて基準内」であったと委員会では報告したが、焼却灰や汚泥中の重金属の高濃度汚染や、物質収支を考えたとき、廃プラ焼却には、やはりレッドカードを出さなければならないようである。

追記:関心のある方は是非、膨大な費用をかけて測定したこれらのデータをご覧になって改めて廃プラ焼却、さらには廃棄物焼却そのものがどのようなものか、を考えていただきたいと思います。「実証確認」そのものが廃プラ焼却の安全性を確認するに足る試験となっているかどうか、膨大な測定データから何が分かるのか、今後も追い続けていきたいと思います。

(フォーラム事務局 池田こみち)


 東京23区清掃一部事務組合が開催している標記委員会については、以下のサイトを参照のこと。

廃プラスチックのサーマルリサイクルについて
http://www.union.tokyo23-seisou.lg.jp/thermal/index.html

(3)サーマルリサイクル実証確認結果の確認等検討委員会
http://www.union.tokyo23-seisou.lg.jp/thermal/6thermal.html#iinkai

委員名簿
http://www.union.tokyo23-seisou.lg.jp/thermal/kentouiinkai/1.pdf
委員構成(全17名)
@学識経験者2名
 ・国環研資源化・処理処分技術研究室長 川本克也氏
 ・京大大学院工学研究科都市環境工学専攻 准教授 高岡昌輝氏
A区民委員7名(江東区2名、世田谷区1名、大田区2名、杉並区1名、墨田区1名)
B23区委員5名(北区・杉並区・江東区・世田谷区・中央区)
C東京都委員2名(環境局環境改善部、環境局廃棄物対策部)
D一組委員1名(施設管理部処理技術担当部長)


サーマルリサイクル実証確認結果の確認等検討委員会(第6回)
http://www.union.tokyo23-seisou.lg.jp/thermal/
kentouiinkai/211208.html


次第 (PDFファイル55KB)
サーマルリサイクル実証確認結果の確認等検討委員会(第6回)座席表(PDFファイル70KB)
■ 資料1 廃プラスチック混合可燃ごみの焼却実証確認結果DATA集

□ 表紙・目次 (PDFファイル278KB)
□ 煙突排ガス <P1〜P54> (PDFファイル727KB)
□ 減温塔入口排ガス <P55〜P76> (PDFファイル908KB)
□ 排水(1) <P77〜P140> (PDFファイル1,506KB)
□ 
排水(2) <P141〜P149> (PDFファイル920KB)
□ 焼却灰 <P151〜P187> (PDFファイル1,362KB)
□ 汚水処理汚泥 <P189〜P214> (PDFファイル663KB)
□ 飛灰及び飛灰処理汚泥 <P215〜P259> (PDFファイル448KB)
□ 溶融飛灰処理汚泥 <P261〜P287> (PDFファイル244KB)
□ スラグ <P289〜P320> (PDFファイル322KB)
□ ごみ性状・物理組成 <P321〜P369> (PDFファイル483KB)
□ ごみ性状・3成分 <P371〜P403> (PDFファイル327KB)
□ ごみ性状・重金属含有量(1) <P405〜P426> (PDFファイル1,447KB)
□ ごみ性状・重金属含有量(2) <P427〜P506> (PDFファイル971KB)
□ 周辺大気(1) <P507〜P561> (PDFファイル972KB)
□ 周辺大気(2) <P563〜P570> (PDFファイル1,104KB) 
□ 周辺大気(3) <P571〜P575> (PDFファイル1,260KB)
□ 周辺大気(4) <P576〜P579> (PDFファイル1,230KB)
□ 周辺大気(5) <P580〜P583> (PDFファイル1,143KB)
□ 周辺大気(6) <P584〜P587> (PDFファイル1,453KB)
□ 周辺大気(7) <P588〜P591> (PDFファイル1,276KB)
□ 周辺大気(8) <P592〜P595> (PDFファイル1,634KB)
□ 周辺大気(9) <P596〜P599> (PDFファイル1,388KB)
□ 周辺大気(10) <P600〜P603> (PDFファイル1,175KB)
□ 
周辺大気(11) <P604〜P607> (PDFファイル1,153KB)
□ 
周辺大気(12) <P608〜P611> (PDFファイル1,384KB)
□ 裏表紙  (PDFファイル63KB)
※白紙ページは除いて掲載しています。

 
■資料2 大気環境調査結果 (清掃工場風上側、風下側測定場所での濃度比較)  

□ 資料2(1)(PDFファイル1,625KB)
□ 資料2(2)(PDFファイル1,635KB)
□ 資料2(3)(PDFファイル1,642KB)
□ 資料2(4)(PDFファイル1,573KB)

 
■参考資料1 薬品使用実績 (準備中※)
■参考資料2 清掃工場故障発生件数(年度別/工場別) (準備中※)
■参考資料3 清掃工場ごみバンカ内出火状況 (準備中※)
■参考資料4 排水系統図 (49KB)

※参考資料1〜3は確定前の数値が含まれるため、数値確定後に掲載させていただきます。

追加資料:廃プラスチック混合可燃ごみの焼却実証確認実施報告
品川清掃工場(5回目)、墨田清掃工場(5回目)、新江東清掃工場(4回目)
こちらからダウンロードできます