各 位 行政訴訟改革のために検討会の パブリックコメントへの意見提出のお願い 阿部泰隆 メール yasutaka@kobe-u.ac.jp yasutaka@law.email.ne.jp |
お願いです。 今、行政訴訟検討会が、広く国民から意見を求めています。 詳しくは、ここにでています。 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/sihou/kentoukai/05gyouseisosyou.html 検討会の論点整理でも、1年以上も検討しながら、問題点があるという指摘が多くを占めており、多数の高給事務局員を抱えながら、提出された資料も、学説判例の分析はほとんどなく、無意味な最高裁判例の羅列に終わるなど、まじめに改正に取り組む姿勢とは思えません。本来、行政訴訟が不備であり、それは法律が不備なだけではなくその運用に当たる裁判官の発想に問題があるということから出発すべきですから、改革されるべき当事者が事務局の中心に座り、しかも、最高裁事務総局と相談して、審議を進めている現状は、料理されるべきまな板の鯉に包丁を持たせる愚といえましょう。 25日には中央官庁のヒアリングですが、問題がある、だめだといった意見の羅列で、これまでの欠陥の多い行政訴訟制度を権利救済の包括的・実効的確保を図るという観点から抜本的に改正するという、あるべき視点に立つものではなく、これまでの研究、各種の国民の声を反映したものとも思えません。もっとも、中央官庁は行政訴訟では被告側ですから、行政訴訟の活性化には「抵抗勢力」となっているのは当然のことです。刑法・刑訴法改正で、被告人集団の意見を聞くことは聞いたことがないですが、聞けば抵抗勢力になるでしょう。 この現状においては、国民の皆さん、研究者、行政訴訟にも携わったことのある法曹が、一致団結して、この検討会の議論状況を批判して、利用者のための司法改革へ学説なら、他の人がすでに意見を述べたら、もう新しい意見でなければ開陳することもできませんが、これは学説ではなく、政治ですので、同じ意見でもよいですから、どんどん出してください。 この段階では、一般的に「大胆な改革を望む」などといった抽象的な意見には何の意味もなく、「各項目ごとに、具体的にどの案を支持するのか」を明記しなければならないことにご留意ください。 提出先は、前記のHPに出ています。・期限は8月11日です。 なお、このPCに対する小生の意見および行政訴訟改革に方向に関する意見は小生のHPに出しています。その簡略版をエクセルで表にしました。もちろん、あくまで参考です。 国民と行政の関係を考える若手の会 http://www.kokumin-gyosei.jp/sub2_4.htm からもよい提案がなされています。 日弁連行訴法改正案は 司法制度改革推進本部行政訴訟検討会第15回配付資料一覧資料1 行政訴訟制度の抜本的改革に関する提言−「行政訴訟法(案)」の提案(日本弁護士連合会) http://www.kantei.go.jp/jp/singi/sihou/kentoukai/gyouseisosyou/dai15/15siryou_list.html にでているほか、『使える行政訴訟へ』(日本評論社)にも出ています。 阿部泰隆の改正案は司法制度改革推進本部行政訴訟検討会、2002年5月20日の4回配付資料一覧 資料1 行政訴訟の新しいしくみの提案(阿部教授説明資料)をご覧ください。 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/sihou/kentoukai/gyouseisosyou/dai4/4siryou_list.html 簡略版は、 「行政訴訟の新しいしくみの提案」自由と正義2002年8月号14−23頁。 「行政訴訟改革への1視点」ジュリスト1218号(2002年)68頁ー73頁。 「行政訴訟改革の方向づけ」法時73巻4号(2001年4月号)64−69頁。 また、基本的には現行法の解釈論ですが、行政訴訟の訴訟要件を権利救済の包括的・実効的保障の観点から解釈したものとして、過日『行政訴訟要件論』(弘文堂)を出版しました。 機能不全の行政訴訟を抜本的に改革できることを祈って 2003年7月19日 阿部泰隆 |