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「所沢市東部クリーンセンターにおける排ガス中ダイオキシン濃度の自主基準値超過についての意見書」

株式会社 環境総合研究所
掲載月日:2014年3月
 独立系メディア E−wave
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所沢市東部クリ−センターにおける排ガス中ダイオキシン濃度の自主基準超過についての意見書(PDF)


 本意見書は、所沢市議 城下のり子氏からの依頼を受け、平成25年度に同氏の政務調査費を充当して環境総合研究所がとりまとめをおこなったものです。城下氏の了解を得て、この度、公表することとなりました。

 問題の発端は、稼動開始から10年目を迎える所沢市東部クリーンセンターにおいて、排ガス中のダイオキシン類濃度が昨年7月の測定時に自主基準値である0.01ngTEQ/m3Nを超過し、0.011ngTEQ/m3Nとなったことにあります。

 これを機会に、所沢市東部クリーンセンターにおける可燃ごみの処理の実態、排ガス中ダイオキシン類の測定分析の実態、ごみ処理施設の運転管理・維持管理の実態について概括的にとりまとめ、課題を整理すると共に、今後の所沢市のごみ処理のあり方について、提言をとりまとめたものです。

 意見書のとりまとめを通じて、排ガス中のダイオキシン類濃度がわずかに超過したこと以上に大きな問題を孕んでいることがわかりました。

 所沢市においては、現在、東部クリーンセンターと西部クリーンセンターの2カ所の清掃工場で可燃ごみの焼却処理が行われていますが、両クリーンセンターのごみ処理経費は総額で30億円にも上り、特に東部クリーンセンターについては、運転業務、法定点検業務の両方の委託費が年間7億円にも達していることから、西部クリーンセンターの2倍近くの経費がかかっています。

 意見書では、今後は、焼却炉の排ガスによる環境リスクを減らし、プラントの維持管理に関わるコストの削減の観点から、焼却炉への依存を減らしていく方向を目指すべきであると提言いたしました。

 所沢市では、平成26年度に入り、東部クリーンセンターの設備更新費として約100億円の費用がかかることが見込まれており、わずか10年で新たに設置するのと同程度の費用がかかることについて、一部の市議や市民からも疑問が呈されています。

 この意見書は、身近な焼却炉で何が燃やされ、どのように監視され、運転・維持管理されているのかを理解する上で参考になるものと思いますので、是非他の地域の皆様にもご覧いただければ幸いです。