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2009.7.18更新

環境行政改革フォーラム 環境政策 現地視察(静岡県・愛知県) 


1.現地調査の目的

 静岡県及び愛知県内の公共事業や民間事業で周辺環境に著しい影響を与える可能性のある事業、ムダな事業などを
環境行政改革フォーラムの専門家、研究者、弁護士らが視察し、現地の住民団体、NPOらと議論し、課題、問題解決の
方法などを政策提言すること。

2.訪問先予定

 7/18 静岡県富士市田子の浦
 7/18 静岡県富士山静岡空港
 7/19 愛知県設楽ダム予定地
 7/19 愛知県岡崎市近郊トヨタ自動車テストコース予定地
 7/20 愛知県豊橋市産業廃棄物処理施設

 宿泊予定地:島田市、豊橋市

3.日程案

 2009年7月18日(土)、19日(日)、20日(月)

 以下は予定時間。

7月18日(土)
   9:00     環境総合研究所(東京都品川区)出発
  12:00前後 東名高速経由富士市
           「田子の浦」の公民館到着
           現地視察、食事、議論
  15:30頃   現地出発
  16:30頃   富士山静岡空港着
           現地視察、議論、食事
  19:30頃   現地出発発
  20:00頃   宿泊地(島田市)

7月19日(日)
   8:30頃   宿泊地出発
  10:00頃   現地側参加者ピックアップ及び
           現地側車での参加者ピックアップ
  12:00頃   設楽ダム予定地近くに到着
           食事、現場視察 議論
  15:00頃   現地出発
  16:30頃   岡崎のトヨタテストコース現地到着
           現地視察、議論
  19:00頃  現地出発
  21:00頃  宿泊地(豊橋市駅前)
  
7月20日(月)
   9:00頃  宿泊地(豊橋市ホテル)発
          現地側参加者とはホテルで合流
          途中、大型風力発電視察
  10:00頃  豊橋市現地公民館到着
          現地視察
  12:00頃  昼食
  13:00頃  議論
  14:30頃  現地豊橋市発、東京に夕方着


4.視察参加予定者(東京からの参加者) アイウエオ順敬称略
 
 青山 貞一 環境行政改革フォーラム代表、
         東京都市大学 環境情報学部教授(公共政策論、環境政策論、環境法)
 池田こみち 環境行政改革フォーラム副代表、
         環境総合研究所副所長(環境化学、有害化学物質分析)
 坂本 博之 環境行政改革フォーラム幹事(司法担当)、
         弁護士、ゴミ弁連事務局長(民事訴訟、行政訴訟)
 鷹取 敦   環境行政改革フォーラム事務局長、環境総合研究所調査部長、
         法政大学工学部講師(環境論、環境影響分析)
 ※上記以外に現地で環境行政改革フォーラムの会員が自主参加の予定。

環境行政改革フォーラム 静岡県・愛知県 環境視察コース案 2009.7.11現在

地図のオリジナル出典はグーグルマップ



田子の浦

ヘドロ問題と訴訟
明治23年、本州製紙(旧・富士製紙⇒王子製紙)が静岡県鷹岡村に進出、廃水を放流した時から現在まで連綿
と続いている。昭和45年当時、富士地区には大小約150の製紙会社があり、この廃水の中に含まれるスラッジが
海底に堆積し、歳月を経てヘドロと化した。またヘドロにはダイオキシン類、カドミウム、鉛、水銀などの重金属類
が含まれ、発酵分解した硫化水素ガスでの中毒や、魚介類による食中毒事件も発生した。

当該ヘドロ事件は昭和45年11月に静岡地裁に提訴、法廷での論争となる。その間にも工場は操業を継続し、ヘ
ドロの処理に困った県と企業は外洋投棄まで計画していた。この住民による公害訴訟も一審では全面却下され
たものの東京高裁では逆転勝訴となった。地方自治法をもとに起こされた公害訴訟で、部分的にせよ住民側が
勝訴したのは全国で初めて  参考・引用 

 
海岸線に野積みにされているダイオキシンなどを含む汚染土砂
撮影:青山貞一、Nikon Digital Camera S10 2009.4.12


富士山静岡空港

訴訟
反対派は空港設置許可取り消し、公金支出差し止め、土地収用法に基づく事業認定取り消し、権利取得裁決
取り消し等の訴訟を起こしているが現在審理中のものを除き、いずれの訴訟も反対派の敗訴又は訴えの取り
下げなどに終わっており今のところ反対派の勝訴した訴訟はない。

トラスト共有地・立ち木トラスト
反対派は反対派の元々の地権者(本来地権者)の所有する空港予定地内の土地の一部を静岡県内のみならず
県外や外国在住者を含んだ反対派数百名に譲渡し共有としたり、山林の立ち木の一本一本を別々の反対派活
動家に譲渡するなどの行為を行い空港予定地の権利関係を複雑化し県の用地取得を妨害しようとした。静岡県
が土地収用法に基づく手続きを行った結果、空港建設に必要な土地・立ち木に関するすべての権利について県
の権利取得が認められたがトラスト共有地・立ち木トラストによる権利の細分化による事務の煩雑化のため、用
地調査や補償金の支払事務手続に十数億円の経費を要することとなった。

直接請求
2001年に反対派は静岡空港の是非を問う住民投票条例制定を求めるため、約27万人の署名を集め地方自治法
に基づく直接請求を行ったが、住民投票条例案は県議会の反対多数で否決された。

その他
2007年2月6日未明に、静岡市在住の反対派活動家が静岡県庁別館前の路上で焼身自殺した。付近には静岡
市内の廃棄物不法投棄に関する静岡市の対応と静岡空港建設に抗議する内容のビラがあり、またビラと同じ内
容が焼身自殺の直前にmixiに書き込まれていた。自殺後、反対派は追悼集会の開催、追悼VTR・DVDの発売な
どの活動を行っている。また週刊ダイヤモンドは静岡空港について、無駄な大型事業の典型例とした特集記事を
数多く掲載している。岩波書店発行の月刊誌「世界」は、鎌田慧の執筆による静岡空港に批判的な記事を掲載
している

 出典:Wikipedia


茶畑、オオタカの営巣などを破壊して開発される静岡空港 出典:静岡県


設楽ダム


出典:国土交通省


設楽ダム

設楽ダム概要
総貯水容量約1億m3の設楽(したら)ダムは、愛知県東部の三河山地に発し渥美湾(三河湾東部)に注ぐ豊川
(とよがわ)の最上流域に国土交通省が建設を計画している。現計画に直接つながるのは1973年に愛知県が
地元に示した8千万m3規模の多目的ダム案であるが、2度変更された結果、総貯水容量9800万m3でその内
訳は、治水容量1900万m3、不特定容量6000万m3、新規利水容量1300万m3、堆砂容量600万m3の計画と
なっている。この数値からみて、設楽ダムの主目的は、治水でも利水でもなく、不特定容量(流水の正常な機
能維持容量)であることがわかる。この6000万m3をどのように使おうとしているのか、事業者は次のような説
明をしている。「豊川水系宇連川の大野頭首工(豊川用水の取水堰)下流で川の水がなくなる断流が生じてい
るので毎秒1.3 m3の維持流量を確保する、また豊川の中流部にある牟呂松原頭首工下流の河川流量が少な
く、現状の毎秒2m3より5m3に維持流量を増やすことが必要である。主としてこの二か所について、流水の正常
な流量を維持するために、ダムで水を貯める必要がある。」こうして、川に水を流すために巨大ダムを造って水を
貯める(流水を溜まり水にする)というのである。堆砂容量を除いた有効貯水容量9200万m3の65%、さらに洪水
調節容量を除いた利水容量7300万m3の実に85%に当たる6000万m3が、「流水の正常な機能維持」のための
容量という前代未聞のダム計画である。

洪水調節容量1900万m3についてみれば、最上流部の限られた流域(豊川流域面積の9%)をカバーする設楽
ダムによって豊川下流の洪水を抑制するのは困難であることは誰にもわかる。豊川下流域には、中世以来の
不連続堤・遊水地が現存し、大きな洪水の際には遊水機能を発揮している。上流域森林の適切な保全管理、
水田の洪水調節機能の活用、堤防の強化などに加えて低地の開発を規制するなど、流域全体で総合的に水害
の抑制を図ることが本来の治水のあり方であり、ダムに頼ろうとするのはかえって危険であることを多くの例が示
している。地震によるダムがらみの複合災害も含めて、流域住民の安全を第一に考えれば、ダムという選択肢は
採用しないのが正常な判断というものだろう。

 設楽ダムは、治水上も、利水上も不要であり、典型的な無駄な事業である。そればかりか、以下にみるように
環境への影響は途方もなく広く深いもので、流域住民が将来にわたって健康で豊かな生活を続けていく前提と
なる自然環境の健全さを破壊する有害極まりない事業であると言える。

 出典:http://no-dam.net/shitaradam.html


トヨタテストコース

 
このような美しい里山の自然を破壊して開発される? トヨタテストコース

■トヨタによる21世紀の巨大自然破壊(愛知県豊田市・岡崎市)
織田重巳:愛知県はまたもや世界をペテンにかけようとしている
織田重己:愛知県とトヨタが破壊する希有な里山(写真)!?
織田重己:トヨタによる21世紀の超巨大環境破壊!?

トヨタテストコース
愛知県豊田市の下山地区と同県岡崎市の額田地区にまたがる約660ヘクタールの山林を愛知県企業庁が買収・造成し、
トヨタに売却。トヨタは、このうちの280ヘクタールにテストコースと研究開発拠点を建設する。県の希少生物調査で絶滅
危惧(きぐ)種の猛禽類(もうきんるい)・サシバの生息が確認されるなどしたため、トヨタは開発面積を当初の410ヘクター
ルから約3割減らした。最近になって、予定地と周辺で新たに27種の希少な鳥類の飛来が確認された。
( 2008-12-11 朝日新聞 夕刊 1総合 )


ミダック豊橋事業所

愛知県豊橋市と静岡県湖西市の境界地域は、産業廃棄物の焼却、溶融施設が集中しかつての埼玉県所沢市に類する
地域となりつつある。現地視察では新たに設置許可申請がでている焼却施設が立地される地域及びその周辺地域を視
察し、地域住民等と意見交流する。
民と